役員運転手は、お客として目上の人を相手にした仕事です。そのためほかの業種以上に丁寧さや心掛けといったマナーが重要になります。どのような場面でマナーが必要となるのか、どんな態度で役員に接すればいいのかをここでは紹介します。
挨拶は仕事を始め、生活においてはマナーの基本と呼べる行為です。
役員運転手も例外ではありません。
朝から必要以上に大声を出したり、作り笑顔を浮かべることはありませんが、挨拶をするときにはハキハキと、気持ち良い笑顔で相手を迎えることが大切です。1日に何度も顔を合わせる場合も、欠かすことなく会釈をしましょう。
また、挨拶の仕方にもマナーがあります。何か作業をしている場合は、一旦手を止めてから挨拶を。お辞儀も同様に、「おはようございます」などと言い終わってから頭を下げるようにすると丁寧な挨拶をする人だと受けとめてもらえます。このとき、お辞儀をする前に相手の目を見ないとどこか形式的なものになってしまうので注意が必要です。
役員運転手の場合、基本的には運転手から役員に話しかけたりはしません。用事があるときなど、必要な情報を確認したり、話しかけられた際に返答するぐらいです。
こうした場面での会話は、役員運転手には丁寧な言葉遣いが求められます。
相手を敬う際に使用する尊敬語、上の立場の人の前でへりくだる際に用いる謙譲語、そして基本の丁寧語を上手に使い分けましょう。
例えば「見る」は、尊敬語では「ご覧になる」に、謙譲語では「拝見する」に、丁寧語では「見ます」になります。
ただし、丁寧に話そうとするばかりに不自然な日本語にならないよう注意しましょう。
また、用件などを伝える際には、「いつ」「どこで」「誰が」「なぜ」「何を」「どうしたのか」の「5W1H」をはっきりさせた話し方を意識することも大切です。
役員が話しかけてきた際には、相手のほうに向き直り、失礼のない程度に適度に目を合わせ、背筋を伸ばして聞きましょう。
運転中であれば、「はい」や「ええ」など、タイミング良く相槌を打つことで、耳を傾けている姿勢を示せます。意見を求められたときには、出しゃばらない程度に自分の考えを述べるのも良し。
人の話を聞くとときの態度は相手を敬っていることの表れです。
大切なのは、自分の話を運転手がしっかりと聞いている……と、役員に受けとめてもらうことです。
車の運転が仕事であるからには、最低限、周囲の交通情報は把握しておかなくてはなりません。
役員の送り迎えで毎日同じ道路を通るのとは別に、大半の役員運転手には取引先などさまざまな場所へ役員を送り届けるという業務あります。突然、見知らぬ場所に行くように言われることもあるでしょう。
そんなときカーナビばかりに頼らず、土地勘でスムーズに行けるのがプロの役員運転手です。
せめて会社の周囲にどんなビルや建物があるのかを知っておきましょう。
例えば、役員が車内で電話をしているとき、ほかの誰かと車内で商談をしているときなど、重要事項が語られる場合があります。それはひょっとすると世間が驚くような話だったり、ニュースになるようなレベルであることも。
しかし、どんな話題があったとしても、役員運転手がその内容をほかで明かしては絶対にいけません。それは役員の個人情報も同じことです。
雇用契約書によっては情報漏洩に該当すると認められ、運転手に損害賠償請求が発生してしまうこともあります。
役員運転手は安全運転が第一であり、さらには一定の運転技術も求められます。
そもそも運転手がつくほどですから、役員運転手が乗る車は高級車であったり、左ハンドルや大型といった海外の自動車であることも少なくありません。
こうした車を扱うからには乱暴な運転はもちろんNG。急ブレーキや急ハンドルは禁物です。
理想は、乗っている役員が乗車中であるのを忘れるぐらい揺れることなく、リラックスして過ごせる運転です。
役員運転手に限ったことではありませんが、勤務中には、時として柔軟な対応を求められる場面に出くわすこともあります。
急に雨が降ってきたら、役員が会社から出てきそうな時間に合わせ、あらかじめ車を回しておくこと。さらには傘を用意し、出迎えるといった行為も必要です。
役員を送り届けている最中に渋滞にハマってしまった場合などについては、事態を想定し、あらかじめルートを複数選んでおきましょう。いざというとき役立ちます。
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